
収納スペースとして使われてきた「押入れ」を、在宅ワークや子どもの勉強スペースに活用する「押入れデスク」が注目されています。
しかし一方で、「押入れデスク」には思わぬデメリットがあり、導入後に後悔したという声も少なくありません。
特に、照明が暗い・段差が使いづらい・天板が固定しにくいといった問題は、あらかじめ理解しておくべきポイントです。
また、「椅子 おすすめ」や「床の保護」など、体への負担や原状回復の観点から見ても配慮が必要です。
賃貸や団地に住んでいる方にとっては、「作り方」や施工方法にも制限が多く、原状回復のルールを守りつつどこまでカスタマイズできるのかを見極めなければなりません。
この記事では、「押入れデスク」導入前に知っておきたいデメリットとその対策を、実例とともにわかりやすく解説します。
快適な空間づくりのために、まずは“失敗しやすいポイント”を把握しておきましょう。
- 押入れデスクに多い具体的な困りごとや注意点がわかる
- 賃貸や団地など制限のある環境での工夫方法が理解できる
- 段差・照明・配線・湿気などの対策方法が整理されている
- DIY時に失敗しやすいポイントとその回避法が学べる
押入れデスクのデメリットと注意点


- 押入れデスクは賃貸でも使える?
- 押入れデスクの段差が使いづらい理由
- 押入れデスクの照明が暗くなりがちな理由
- 押入れデスクの床は要保護?湿気とキズの問題
- 押入れデスクに適した椅子おすすめの選び方
- 押入れデスクの天板は固定しづらい?構造の限界
押入れデスクは賃貸でも使える?


押入れデスクは賃貸物件でも工夫次第で十分に設置できます。ただし、注意すべき点がいくつかあります。
まず、賃貸では「原状回復」が求められるため、壁や床に直接ネジや釘を打ち込むDIYは基本的にNGです。そのため、突っ張り棒や置くだけで設置できる収納ラック、マステ+リメイクシートなど、原状を傷つけない道具を活用することが大切です。壁紙のアレンジも、貼って剥がせるタイプであれば安心して使えます。
また、押入れの襖(ふすま)を外すことも多いですが、これも保管場所に困るケースがあります。クローゼットの裏やベッド下などに収めるのが一般的ですが、スペースがなければ管理会社に相談して一時的に預かってもらえることもあります。
たとえば、実際に和室の押入れをデスクにした事例では、マスキングテープと両面テープを使って壁紙を貼り、カラーボックスをデスク代わりにすることで、原状を一切傷つけずに作業空間を作っていました。電源が遠い場合でも、延長コードやUSBタップを使えば簡単に対応できます。
このように、賃貸でもルールを守りながら工夫すれば、押入れデスクの導入は十分可能です。事前に確認と準備を行い、失敗のない快適な空間づくりを目指しましょう。
項目 | OKな方法(原状回復可能) | NGな方法(原状回復困難) |
---|---|---|
壁の装飾 | マスキングテープ+貼って剥がせる壁紙(例:ニトムズ デコルファ) | 接着剤や釘を使ったクロス張り |
収納棚の設置 | 突っ張り棚・置き型ラック(例:無印良品 スチールラック) | 壁にビス止めする棚や造作家具 |
ふすまの扱い | 取り外して保管(ベッド下やクローゼット内) | 破損・廃棄してしまう |
デスクの天板 | カラーボックスや収納家具に板を渡す方法 | ネジや金具で壁に天板を固定する方法 |
電源・照明 | 延長コード+充電式LEDライト(例:IKEA ÖVERMÄTT) | 壁や天井に穴を開けて照明器具を設置 |
押入れデスクの段差が使いづらい理由


押入れデスクを使っていて「段差が気になる」という声は少なくありません。この段差とは、部屋の床と押入れの内部の床との高低差のことです。
通常、押入れの中は数センチ高くなっており、イスを置く際にこの差が作業のしにくさを生む原因になります。例えば、イスのキャスターが押入れの段差に引っかかってうまく動かなかったり、椅子とデスクの高さのバランスが取りづらくなるといった問題が出てきます。結果として、長時間座っていると姿勢が崩れたり、腰が痛くなることもあります。
さらに、椅子を出し入れする際に段差につまずく可能性もあります。特に夜間や部屋が暗いときには、思わぬケガにつながることもあるため注意が必要です。
こうした問題を避けるためには、段差をなくすマットやスロープを敷いたり、押入れの中と部屋の床の高さを揃えるDIYパネルを使う方法があります。賃貸の場合でも、床に敷くだけのタイプなら簡単に導入でき、原状回復も容易です。
押入れデスクの段差は見落とされがちですが、使い勝手に大きな影響を与えるポイントです。快適に作業するためにも、設置前に段差の高さを確認し、しっかりと対策をとることが重要です。
問題点 | 原因 | 対策グッズ | 備考 |
---|---|---|---|
椅子のキャスターが段差に引っかかる | 押入れ床が数cm高くなっている構造 | 段差解消スロープ(山善 段差スロープ 5cm対応) | 置くだけタイプで賃貸にも使いやすい |
椅子の出し入れがスムーズにできない | 段差で椅子が動きにくくなる | 押入れ内全面マット(サンコー ズレ防止マット) | 段差をカバーしつつ傷防止にも効果 |
姿勢が崩れる・腰に負担がかかる | 天板と椅子の高さが合わない | 昇降式チェア(ニトリ 昇降式ワークチェア FZ-08) | 高さ調整ができれば姿勢も改善される |
つまずきやすい | 段差が見えづらく認識しにくい | 段差に貼る注意テープ(カモ井 マスキングテープ) | 目印をつけるだけでも安全性が向上 |
ガタつきで集中できない | 床の傾きや段差が不均一 | 高さ調整クッション(山善 高さ調整パッド) | 椅子や脚の下に敷くだけで安定感UP |
押入れデスクの照明が暗くなりがちな理由


押入れデスクを作ったけれど、「思ったより暗い」と感じる人は少なくありません。これは押入れの構造に原因があります。
まず、押入れはそもそも「収納用の空間」として作られているため、光を取り込む設計になっていません。天井も低く、側面や背面がすべて囲まれているため、日中でも自然光が入りづらく、奥のほうは特に暗く感じるでしょう。
さらに、一般的な押入れには照明や電源が備え付けられていないため、デスクライトなどを自前で設置する必要があります。照明を後付けする場合でも、コンセントの位置が遠く、延長コードを使わないと届かないケースもあります。そのため、作業に適した明るさを確保するには、工夫が必要です。
例えば、実際の事例では、IKEAや100均で購入した小型のLEDライトを取り付ける人も多く、手軽に明るさを補えます。ただ、貼り付け型のライトは時間が経つと落ちたり、光量が足りなかったりすることもあるため、用途に合った照明選びが重要です。
押入れデスクを快適に使うには、「照明の確保」は欠かせないポイントです。暗さに悩まされないためにも、あらかじめ設置場所や明るさのレベルを考えて準備しておきましょう。
照明の種類 | 明るさの目安 | 設置のしやすさ | 価格帯 | 代表的な商品 |
---|---|---|---|---|
USB充電式LEDバーライト | 約200〜400ルーメン(読書向き) | 両面テープや磁石で簡単に設置可 | 1,000〜2,500円 | IKEA OMLopp LEDライトバー/ニトリ マグネットライト |
クリップ式スタンドライト | 約400〜800ルーメン(PC作業向き) | 押入れの板に挟むだけで設置可能 | 2,000〜4,000円 | アイリスオーヤマ LDC7N-G-6TT/無印良品 クリップライト |
貼り付け型LEDライト(乾電池式) | 約100〜250ルーメン(補助照明向き) | 工具不要・どこでも設置しやすい | 500〜1,500円 | DAISO 乾電池式LEDライト/セリア ワンタッチライト |
卓上型デスクライト | 約500〜1000ルーメン(しっかり照明) | 押入れ内にスペース確保が必要 | 3,000〜7,000円 | 山田照明 Zライト/BenQ WiT MindDuo |
間接照明+反射パネル | 照度は低めだが目に優しい | 設置に工夫が必要(位置調整など) | 2,000〜5,000円 | ニトリ LED間接照明バー/無印良品 LEDシートライト |
狭くて暗くなりがちな押入れには、LEDストリップやクランプライトなどが有効です。IKEAでは、省スペースに向いた照明アイテムが豊富に揃っています。
→ IKEA公式で照明を見る
押入れデスクの床は要保護?湿気とキズの問題


押入れの床は、一見しっかりしているように見えますが、デスクとして使う場合には「保護対策」が必要です。理由は、湿気とキズの両方に弱いためです。
押入れは空気がこもりやすく、湿度が高くなることがあります。特に梅雨の時期や、空気の流れが悪い構造の押入れでは、床下に湿気がたまりやすく、カビや木の劣化の原因になります。また、椅子を出し入れする際や、重たい物を置いたときに、床板に細かいキズがつくこともあります。
たとえば、ゲーミングPCを常時稼働させている人が押入れに本体を設置したケースでは、熱と湿気がこもってしまい、内部の温度が上昇してパフォーマンスに影響したという声もありました。熱がこもれば、さらに床材も劣化しやすくなります。
こうしたトラブルを防ぐためには、除湿剤やすのこを活用し、空気の通り道をつくることが効果的です。さらに、椅子やキャスターのキズから床を守るために、クッションマットやデスク用マットを敷いておくと安心です。
見えにくい部分ではありますが、押入れデスクの床は直接触れる機会が多いため、湿気とキズの対策はしっかりしておきましょう。長く快適に使うためには、地味でも欠かせない準備の一つです。
床のトラブル | 原因・リスク | 対策グッズ | 価格帯(目安) | 代表的な商品例 |
---|---|---|---|---|
湿気 | 空気がこもりカビ・腐食の原因に | 除湿剤・すのこ | 300〜1,500円 | ニトリ「湿気とり炭タイプ」/カインズ「桐すのこ」 |
キズ | 椅子や物の出し入れで床を擦る | デスクマット・フロアマット | 1,000〜4,000円 | IKEA「KOLON」チェアマット/山善「デスク下マット」 |
へこみ | 椅子脚・重い家具の圧力が集中 | ジョイントマット・耐圧プレート | 1,500〜3,000円 | ニトリ「EVAジョイントマット」/アイリスオーヤマ「傷防止シート」 |
カビ | 湿気×通気不足の放置で発生 | 防カビ剤・定期的な換気 | 500〜1,000円 | ドクターケア「防カビスプレー」/エステー「ドライペット」 |
滑りやすさ | キャスター椅子が不安定になる | 滑り止めシート・カーペット | 800〜2,500円 | ニトリ「滑り止めマット」/無印良品「ラグ下用シート」 |
湿気対策の基本は「除湿剤を適切に置くこと」です。アイリスオーヤマでは、押入れ用の除湿剤や調湿材の種類と選び方について特集しています。
→ 除湿アイテムの詳細はこちら(アイリスオーヤマ公式)
押入れデスクに適した椅子おすすめの選び方


押入れデスクに合う椅子を選ぶには、サイズと使いやすさのバランスがとても重要です。というのも、一般的な机よりも押入れの中段は高さが高くなりがちで、そのままでは足が届かない、姿勢が悪くなるといった問題が起こりやすいからです。
押入れの中段は多くの場合、高さが約85〜90cmあるため、通常のデスク(70〜75cm前後)よりも高めです。そのため、普通の椅子だと机の高さと合わず、肘が浮いたり、肩が上がったりして長時間の作業がつらくなります。
そこでおすすめなのが、昇降式の椅子です。ガス圧で高さを調整できるものなら、自分の体格や押入れの高さに合わせて微調整が可能です。さらに、背もたれやクッション性がある椅子を選べば、在宅ワークや勉強でも快適に過ごせます。
ただし、キャスター付きの椅子は注意が必要です。押入れの段差やマットの上で転がりにくいことがあり、逆に動きづらくなる場合もあります。段差の上で使うなら、足がしっかり地面につく安定性重視の椅子を選びましょう。
椅子は快適さだけでなく、押入れの高さや構造にきちんと合っていることが大切です。見た目だけでなく、実際に座ったときの感覚を重視して選ぶのが後悔しないコツです。
椅子のタイプ | 主な特徴 | メリット | 注意点 | 代表的な商品例 |
---|---|---|---|---|
昇降式チェア | ガス圧で座面の高さを調整可能 | 押入れ中段の高さに柔軟に対応 | 足が床に届かないと疲れやすい | ニトリ「ワークチェア Nシールド」/IKEA「FLINTAN」 |
固定式チェア | 高さが固定されている椅子 | 安定性が高く、価格も安い | 中段高さに合わないと姿勢が悪化 | 無印良品「リビングでも使えるダイニングチェア」 |
キャスター付きチェア | 座ったまま移動しやすい車輪付き | 作業効率が良く、出入りもスムーズ | 段差に引っかかると動きにくい | サンワサプライ「メッシュチェア SNC-NET18」 |
折りたたみチェア | 使用後に収納できる省スペース型 | 狭い押入れに便利で収納性が高い | 長時間の作業には向かない | IKEA「TERJE」/山善「パイプ椅子 YZX-38」 |
座椅子タイプ | 低い姿勢で作業するロースタイル | 中段を使わず床上作業に最適 | 机の高さが合わないと使いにくい | ドウシシャ「ハイバック座椅子 ZC-SK3」 |
押入れデスクの天板は固定しづらい?構造の限界


押入れデスクを自作する際に意外と難しいのが、天板の設置と固定です。見た目以上に構造の制約が多く、しっかり安定させるには工夫が必要です。
そもそも押入れの内側は「机を設置する前提」で作られていません。壁にビスや金具を打ち込もうとしても、材質が柔らかくて支えきれなかったり、そもそも下地がなくてネジが効かないこともあります。特に賃貸の場合は原状回復を考えなければならず、しっかり固定できないまま使っている人も多いです。
また、押入れの幅にぴったり合うサイズの天板を探すのはなかなか難しく、自作するか、カットして調整する必要があります。床と天板の間に段差がある場合、ガタつきが出ることもあるため、水平に設置できるように脚やスペーサーで調整が必要です。
固定方法としては、L字金具や突っ張り棒を使って天板を支える方法がよく知られています。工具が使えない場合は、カラーボックスや収納ラックを両端に置いて、その上に板を渡すだけの簡易デスクとして運用する人もいます。
構造上の限界を理解したうえで、どの方法が自分の環境に合うのか見極めることが大切です。しっかりと固定された天板は、快適な作業空間を支える土台になります。
設置方法 | 安定性 | 原状回復の可否 | 設置難易度 | 推奨される環境 |
---|---|---|---|---|
カラーボックス+板渡し | 中程度(横ズレに注意) | 可(工具不要) | 低(簡単に設置可能) | 賃貸/DIY初心者 |
突っ張り棒+板のせ | やや不安定(荷重注意) | 可(穴あけ不要) | 中(水平調整が必要) | 原状回復必須な賃貸 |
L字金具+ビス固定 | 高(しっかり固定) | 不可(壁に穴が空く) | 高(工具・計測が必要) | 持ち家/DIY慣れた人 |
市販の押入れラック使用 | 中〜高(製品により差あり) | 可(一部工具使用) | 中(組み立て必要) | 整理整頓を重視したい人 |
木製フレーム自作 | 高(強度調整可能) | 条件付き可(工具次第) | 高(DIY経験者向け) | 構造を自由にしたい人 |
押入れデスクのデメリット対策と解決法


- 押入れデスクの作り方とDIYの落とし穴
- 団地で押入れデスクを作る際の注意点
- 押入れデスクの高さと椅子の調整ポイント
- 押入れデスクは配線トラブルが起きやすい?
- 押入れデスクの空間が狭すぎると感じたら
押入れデスクの作り方とDIYの落とし穴


押入れデスクは、限られたスペースを有効に活用できる魅力的な方法ですが、DIYには思わぬ落とし穴もあります。始める前に全体の流れと注意点を把握しておくと安心です。
作り方の基本は、まず押入れのふすまを外し、中段板をデスク天板として活用するか、別に板を設置してデスクを作る方法のいずれかになります。その際、内部を好みの雰囲気に整えるために、リメイクシートを貼ったり、壁紙を貼り替えたりといった内装作業も必要です。また、電源や照明が届かないことも多いため、延長コードやLED照明を事前に準備しておくと快適に作業ができます。
しかし、DIYには落とし穴もあります。まず、中板の高さがデスクとしては高すぎることがあります。無理に使うと、合わない姿勢で身体を痛める原因になります。また、工具を使った作業や壁への取り付けには、正確な計測や強度の確認が求められます。下地のない壁に金具を打ち込むと、ぐらつきや破損の原因にもなるため注意が必要です。
さらに、内装にこだわりすぎると時間もコストもかさみます。中には「おしゃれに仕上げたけれど、結局使いづらかった」という声もあります。収納の奥行きが深すぎて、物が取り出しにくいと感じるケースも少なくありません。
こうした点を踏まえると、「自分にとって本当に必要なデスクなのか」「作業量やコストに見合うのか」をあらかじめ考えておくことが、失敗を防ぐための第一歩です。
実際に押入れをデスクとしてDIYする際の流れや注意点を、専門のDIYサイトが丁寧に解説しています。中板の活用や構造面での工夫が必要な方は、以下のページも参考になります。
→ RESTA公式:押入れ改造DIY講座を見る
団地で押入れデスクを作る際の注意点


団地に住んでいる方が押入れデスクを作る際には、特有の制約に気をつける必要があります。見た目には一見どの家とも同じように見える押入れでも、団地特有の構造やルールがあるため、通常のDIYとは違った配慮が求められます。
まず大きな注意点は「原状回復」が必要だという点です。団地は賃貸であることが多く、壁や床に穴を開けたり接着剤を使ったりする改造は原則NGです。リメイクシートやマスキングテープなど、はがせる素材を使ってDIYすることが基本となります。壁に棚を付けたい場合も、ビスではなく突っ張り式の棚などを使う方法が望ましいです。
また、団地の押入れは昔ながらの和室仕様が多く、床が畳や板張りの場合があります。こうした素材の上に直接椅子を置くと、へこみやキズが残りやすいため、保護マットやカーペットを敷くのがおすすめです。さらに、建物自体が古いと通気性が悪く、押入れ内が湿気をため込みやすいこともあります。こまめに換気をしたり、除湿剤を置くなどの対策も忘れずに行いましょう。
最後に、団地では隣接する住戸との壁が薄いこともあるため、パソコン作業や通話の際の音にも配慮が必要です。静音タイプのキーボードを使ったり、ヘッドセットを使うといった工夫があると安心です。
このように、団地ならではの制約を理解しながら工夫して押入れデスクを作ることが、快適な作業空間づくりへの近道になります。
押入れデスクの高さと椅子の調整ポイント


押入れデスクを快適に使うためには、高さと椅子のバランスがとても大切です。特に中板をそのままデスクとして使う場合、想定よりも高く感じるケースが多いため注意が必要です。
多くの押入れは、もともと収納用に作られているため、中段の高さが90cm前後あります。一方で一般的なデスクの高さは70cm程度です。この差によって、通常の椅子では手元が高くなり、肩や首に負担がかかりやすくなってしまいます。そこで、高さの合う椅子を選ぶことが重要です。
おすすめは、座面の高さを調整できる昇降式のチェアです。肘掛けがないタイプなら、デスク下にもすっきり収まりやすく、動作もスムーズになります。また、座面が高くなるほど足が床に届きにくくなるため、フットレスト(足置き)を併用するのも良い方法です。
なお、椅子だけで調整が難しい場合には、中板の下にステップや厚手のクッションを置いて調整する方法もあります。これにより無理のない姿勢を保てるようになります。
このように、押入れデスクでは“高さ”が既製品の机とは異なるため、椅子選びや補助アイテムによってしっかり調整することが快適性を左右します。
デスクの高さ | 推奨される椅子のタイプ | 座面の高さ目安 | フットレストの必要性 | 姿勢への影響 |
---|---|---|---|---|
約70cm(一般的なデスク) | 固定式チェア(肘なし) | 約40〜45cm | 不要 | 自然な姿勢で作業できる |
約85cm(押入れ中段) | 昇降式チェア(ガス圧調整) | 約50〜58cm | 必要(足が浮きやすい) | フットレストがないと前傾姿勢になりがち |
約90cm以上(棚追加など) | ハイスツール+フットレスト併用 | 約60cm前後 | 必須 | 姿勢が不安定になりやすく疲れやすい |
可変(DIYデスク) | 座椅子+ローデスク or 昇降デスク | 自由に調整可 | 構成による | 工夫次第で快適だが調整に手間がかかる |
押入れデスクは配線トラブルが起きやすい?


押入れデスクは、見た目以上に配線トラブルが起こりやすい環境です。特に後付けでパソコンや照明、充電器を使う場合、電源やケーブルまわりの工夫が必要になります。
まず多くの押入れには、もともと電源コンセントが付いていないことがほとんどです。そのため延長コードで部屋のコンセントから電源を引っ張る必要があります。しかし、コードの長さが足りなかったり、配線が足元で絡まったりすると、転倒や接触不良などのトラブルにつながる恐れがあります。
また、押入れの構造上、奥行きがあるため、コードが見えにくくなり、ほこりがたまりやすい環境になります。これにより発火リスクや接触不良が起きやすくなります。コードを通す穴や隙間がない場合には、無理にドアを閉めてコードを挟んでしまい、破損することもあるため注意が必要です。
対策としては、配線を通すルートを最初にしっかり設計することが基本です。コードをまとめるケーブルホルダーや、電源タップを固定するための面ファスナーを使えば、足元もすっきりさせることができます。また、ワイヤレス機器を増やすのも一つの手です。Bluetooth対応のキーボードやマウスを活用することで、配線自体を減らすことができます。
このように、押入れデスクでは狭さゆえに配線が煩雑になりがちです。安全性を確保するためにも、配線整理と電源計画は最初に丁寧に行うことが大切です。
起きやすいトラブル | 原因 | 対策グッズ | 具体的な対策方法 |
---|---|---|---|
コードが絡まりやすい | スペースが狭く、ケーブル整理が難しい | ケーブルホルダー/結束バンド | 配線ルートを決めて固定。まとめて留めて足元スッキリ |
電源コンセントが遠い | 押入れ内にコンセントがない | 延長コード(2m〜3m) | 通電しやすい場所にタップを移動させて固定 |
配線が熱を持つ | 押入れ内の通気性が悪い | USB扇風機/小型サーキュレーター | 熱がこもらないよう風を循環させる |
ホコリがたまりやすい | 配線の隙間に掃除が届かない | 配線カバー/スライド式電源タップ | カバーで覆うことで掃除しやすくし、発火も防止 |
ケーブルを挟んで断線 | ふすまや引き戸で挟みやすい | L字型プラグ/ワイヤレス機器 | プラグ形状を工夫し、できるだけ無線化する |
押入れデスクでは、配線をどう整理するかで安全性と使いやすさが大きく変わります。ケーブル収納アイテムを探すなら、以下のページが便利です。
→ 配線整理グッズを見る(サンワサプライ)
押入れデスクの空間が狭すぎると感じたら


押入れデスクを使い始めてから「思ったより狭い」と感じる人は少なくありません。特に、長時間作業する方やPC・資料などを広げて使いたい方にとっては、圧迫感や動きにくさがストレスになる可能性があります。
この原因として、押入れ自体の構造があります。一般的な押入れは収納を前提に作られており、奥行きはあっても横幅や高さが限られています。さらに、左右や奥が壁に囲まれているため視界も狭く、身体を自由に動かしにくく感じやすいのです。
このような場合は、まず「圧迫感を減らす工夫」がポイントです。例えば、押入れ内の壁に明るめのリメイクシートを貼るだけでも、視覚的な広がりを感じやすくなります。照明も重要で、暗いままではより窮屈に感じてしまうため、明るさをしっかり確保することで快適性がぐっと上がります。
また、物を置きすぎないことも大切です。収納スペースとして活用しつつも、作業スペースはできるだけ空けておきましょう。小型の収納棚や引き出しなど、省スペース設計のアイテムを使うことで、使い勝手もよくなります。
どうしても狭さが気になる場合は、押入れ内に座るのではなく、デスクとして天板だけ活用し、作業は外側に出て行うレイアウトも検討できます。押入れは「囲まれている空間」だからこそ、工夫次第で集中しやすい場所にもなります。狭いこと自体が悪いわけではなく、使い方次第で快適な作業環境に変えられます。
まとめ:押入れデスクのデメリット
記事をまとめます。
- 賃貸物件では原状回復が必要なためDIYに制限がある
- ネジや釘を使えない場合は突っ張り棒やマステで代用する必要がある
- 押入れの段差が椅子の動きを妨げて作業しにくくなる
- 段差により姿勢が崩れやすく腰痛の原因にもなる
- 押入れ内部は暗く、照明を自前で用意する必要がある
- 自然光が届きにくく、照明の種類と設置位置が重要になる
- 電源コンセントがないことが多く延長コードが必須になる
- 湿気がこもりやすくカビや木材の劣化を引き起こすリスクがある
- 床材が傷つきやすいため保護マットの使用が望ましい
- 押入れの中段は一般的なデスクより高く椅子選びが難しい
- 昇降式椅子やフットレストで姿勢を補正する工夫が必要
- 天板の固定が難しくDIYには構造上の工夫が求められる
- 団地では壁が薄く音漏れへの配慮が必要
- 押入れの奥行きや囲まれた構造が圧迫感を生みやすい
- ケーブルの取り回しが悪く配線トラブルが発生しやすい
- 段差調整や照明確保など、設置前に入念な準備が必要
- DIYで手を加えすぎると時間とコストが想定以上にかかる
- 壁紙や内装を変える際は剥がせる素材の選定が重要
- 押入れ奥の物が取り出しにくく収納効率が落ちやすい
- 作業環境を快適にするには視覚的な工夫が求められる